第一回皇居勤労奉仕
この日、宮城県栗原郡の青年団勇士による初めての皇居での勤労奉仕が行われる。
団長は鈴木徳一、副団長は長谷川峻(のちに衆議院議員となり労働大臣や運輸大臣、法務大臣を歴任)
以下は筧素彦「第一回皇居勤労奉仕」(筧素彦『今上陛下と母宮貞明皇后』)に引用された鈴木徳一「みくに奉仕団由来記」より
「栗原というところはどんなところか」
「米作の状況はどうか」
「どんな動機で来たのか」
など、いろいろご下問がありました。ほんの四、五尺隔てて拝する陛下のお顔は、大へんおやつれになっておられました。お言葉の合間、時々軽く頭をおふりになるのも戦時中の極度のご心労とご激務のご疲労から来る軽い御発作のためかと、お察し申し上げるだに懼れ多いことでありました。
筧素彦「第一回皇居勤労奉仕」(鶴見俊輔・中川六平編『天皇百話』所収(188p))
天皇百話〈下の巻〉 鶴見 俊輔 中川 六平 筑摩書房 1989-04 by G-Tools |