1948-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「腹が減った」とおっしゃった天皇

雨はなお降っているが四時半から小雨の中をゴム長に御傘で御出ましになる。千条園から嚶鳴亭、千条園をお抜けになる頃雨が音を立てて降って来たが又間もなく小降りになった。方々で植物をお採らせになる。斎藤君が掘る。霧の中を七時に還御。それから御入浴…

芦田均の決意

今日は組閣して丁度三月目だ。予算は何とか通ると思う。然しそれからが難航だ。その上六月七日のTimeとNewsweekが天皇退位の問題を書き立てている。それが更に難問だ。私には決心は出来ている。決心通りに行けば、私は閑雲野鶴を侶とすることができる。 『芦…

三谷隆信回顧録に書かれた天皇の食事についての記述

記述からは日付は特定できないがこの前後だと思われる。(12日以降は天皇は那須に行っている) 拝命後間もなく田島長官と共に吹上の御文庫に召されて夕餐の御陪食に与った。御文庫とは戦争中吹上御苑内に急造した防空用の建物である。地下は防空壕として設計…

退位についての発言(マッカーサーへの報告書から)

マッカーサーの副官バンカー大佐から総司令官に提出されたメモに添付されたグリーン予備大佐(参謀第二部諜報担当官)の報告書より 六月八日、天皇は宮内府某高官に対し、退位と関連して最近の人事交代が起こった、という噂を話題にした。その時この高官が、…

 宮中人事の交代

宮内庁長官 松平慶民 → 田島道治 侍従長 大金益次郎 → 三谷隆信実際はGHQ民政局の以降による更迭人事侍従次長の加藤進が反対し、芦田均と田島道治が怒るが陛下の意向と知り恐縮。 (徳川義寛『侍従長の遺言』(134p))侍従長の遺言―昭和天皇との50年徳川 義寛…

大金退任直前の浅川林業試験場での出来事

この日、天皇と皇后は浅川の林業試験場に植物採集に出かける。 この翌日、大金侍従長は退任 ちょうど皇后陛下が進まれるお顔先にも、長楕円形のやわらかい若葉をつけた、枝ぶりの優しい気が枝を差しのべていた。皇后陛下はその一枝を折ろうとなさったが、片…