芸術院の会食

谷崎潤一郎柳田国男佐藤春夫野上弥生子は欠席

カメラマンが写真を写したりして正午過から御陪食。一時に行って見ると御茶の席へお移りになった所、話しはいい工合に進んでいる。お上の左の方へ順に森戸文相、志賀直哉長谷川如是閑正宗白鳥辰野隆、お右の方へ三笠宮、高橋芸術院長、小杉、里見、久保田、長与、お上の正面に長官と侍従長という陣取りである。実に愉快な自由放談で尽くる所を知らない。終わったのは三時近くだった。お立ちになる時にいろいろ御言葉があり、大いに日本の文化を高めてひいては世界の文化に貢献するようとの仰せがあった。

入江相政日記 第4巻』(93p) 原文は旧かな

4022610441入江相政日記〈第4巻〉―昭和23年1月~昭和25年12月
入江 相政 朝日新聞社
朝日新聞社 1994-10

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